タイ  「バンコク」


バンコクはタイの首都である。バンコクの全体を一言で捉えるのは難しい。それはリオデジャネイロを一言で説明しろというのに匹敵する難しさだ。

モダンなようでクラシックでもあり、明るいが退廃的で、ゆったりとしているようで油断がならない。この街は多くのバックパッカーが羽を休める街でもあって、この街のもつねっとりした魅力にからめとられて動けなくなるバックパッカーも多い。それを”バンコクに沈没する”という。その辺の雰囲気は谷恒生 「バンコク楽宮ホテル」 という本に描かれている。

この街ではありとあらゆる道、大通りでも住宅街のウラの路地でも行き止まりの袋小路でもかならずなにか商売があり、人が集まってなにかが売り買いされている。何日か滞在し街をほっつきあるいていると、その商売のほとんどが食に関するものか衣料品であるのに気が付くだろう。彼らの”ビジネス”の大小の差はあるがその量たるやはるかに想像を超える。ちょっといくらなんでも異常ではないかともおもえる量だ。アメ横と秋葉原が形を変えてバンコク全域に広がっているのではないかーと想像したくもなる。その総量は東京のすべての食材、衣料品の総量をはるかにしのぐに違いない。

ブラジルでは衣料品は買わないから、東京へ戻るまえにまずバンコクでTシャツとか短パンなどをザックリと買う。ブラジルのように、安物はやめたほうがいいと現地の友人のアドバイスされるが、安いものでも意外にしっかりしたものがあって、その値段の安さを考えるとついリスクをおかしたくなる。リスクといっても短パンやTシャツならせいぜい500円にすぎない。その程度の金額であたれば「もうけた!」と素直に喜べばいいし外れてもルーレットではずしたと思えばいい。なにしろここは東南アジアなのだ。あまり真面目に考えてもいいことはない。

衣料品の安さと豊富さも魅力のバンコクだが、食もすごい。衣料品よりも食の多彩さとその値段の安さこそバンコクの一番の魅力なのかもしれない。食についてかくとキリがないから、一つだけ書く。それはフードセンター。他の東南アジアの国と同じようにタイも屋台でありとあらゆる食を食べられるが、フードセンターというのはこの屋台をオフィスビルとかショッピングセンターのフロアーの一角にあつめたもの。多いところでは30件くらいの屋台フードが集まっているフードセンターもある。エアコンが効いていてフードセンター備え付けのキッチンで作るから清潔でもある(と思う)。でも屋台のオバサンがそのまま作っているのだから味は外の屋台で食べるのと同じだ。値段も変わらない。

このフードセンターにはバンコクに来るたびに入り浸っている。それは単に安いということだけでなくイサンと呼ばれる東北料理から南のカレー味の料理、バンコクの料理までほとんどすべてのタイ料理が一箇所で食べられるからだ。

写真の料理はスーパーマーケットのカルフールーあのフランス資本のブラジルにも
あるスーパーに併設のフードセンターで夕食で取ったもの。オカズ三品、豚肉とさやインゲンの炒め物、中国野菜の炒め物、牛肉の辛味味噌いためこれに白いゴハン(このときは御粥にした)がついて19バーツ約60円。バンコクでも考えられない安さ。物価の安い地方でも無理だろう。

このスーパーの正面にたしかイギリス系のTESCOとかいう、これも巨大スーパーが進出していてやはりフードセンターを備えていた。行ってみるとここちらは普通の値段で大体同じもので120円くらいしていた。多分カルフールがTESCOと対抗して客集めのためにフードセンターを補助していて値段を安く設定させているのにちがいない。

さてカルフールの商売敵のTESCOではスーパーの入り口のまえのコンコースでお惣菜を山盛りにして売っていた。なんだかよくわからないものあったが ”おいしいにちがいない” と確信させる迫力があった。

味も素っ気もないドイツからはいるとバンコクは異次元であった。

by フェリックス 2007年4月

 

 

 

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