ブラジルはボルか?


東南アジアはヤバイ。

イミグレを通過しバゲッジを回収し、”大衆”のいるコンコースに一歩出たとたん、前後左右に目を配らなければないない。ココロのなかでアンチビールスソフトを起動させる必要がある。空港から町へ行くTAXI、いきなりヤバイ、いくら吹っかけてくるかわからない。旅行者のためのTAXIのチケット販売所のようなところでも、値段表などない。行き先をいうと「イクライクラ」というだけ。はたしてそれが決まった値段なのかすらわからない。降りるとき、「高速代だ」「バゲッジ代だ」とゴタゴタのネタは無数にある。

町の屋台でマンゴーを買ったとする。20円。屋台のおばさんにカットを頼む。支払う段になって 30円!なぜってカットしたからー

TAXIよりずっとボロイ「バイクTAXI」や「三輪TAXI」にのると、観光客と見るやTAXIより高く吹っかけてる。夕方、アジアでは町に屋台がでる。これがおいしい。旅の間ずっと屋台で食べることになる。アジアではレストランより屋台のほうがおいしいのである。ここでまたヤラれる。ワキで食べている現地の連中より高くとられるだろうと予想して食べている。「ウキウキしまくっている日本のオンナ二人組み」はカモネギ状態で大歓迎だ。

日が暮れてくる。”バトンルージュとパフューム”の世界が始まる時間だ。これからがボリ、ブッタクリ、フッカケ大会のオリンピックとなってくる。男の欲望がからむ世界だから、全世界共通、ヤツラにとっては一番つけ込みやすいパートなのだ。食いモノやタクシーのボリ、ブッタクリとはケタが違うハードパンチの世界だ。この分野では 「気が小さくて、大好き」 な日本のオトコは泣いて頼んでも来てほしいオイシイ客ランキングのトップは間違いないだろう。

では田舎にいったら? 素朴なのでは? ーそれは昔の話。

アジアのたいていの田舎には欧州の連中が必ず入り込んでいる。アリのようにどこにでもいる。だから田舎だからと素朴さと親切を期待して行ってもキビシイ現実にシラケル可能性が高い。

オレの見立てでは大都市ではバンコク、マニラがボリ分野の2大巨頭。香港、台湾あたりがこれにつづいている。赤丸つき急上昇中が上海とサイゴン。それでもオレが、アジアに精神的に深くエンゲージしているのは、この 「セコさ」 と 「インチキくささ」 が一種の文化になっていて面白いこともあるからだ。東南アジアは好き嫌いが分かれるだろう。でも東南アジアほど「一人旅」がキマルところは少ないにちがいない。

ブラジルー

確かにイメージ的にはヤバそうな響きだ。メキシコもヤバそう。メキシコは確かにヤバかった。空港でわかる。

しかしー不思議だがブラジルは 「ボらない国」 なのだ。オレの考えでは世界の ”観光客相手2大ボリブッタクリ分野” は、「乗り物」 と 「口紅と香水」 の世界なのだが、この2大分野でブラジルでボラれることはほとんど無い。

もちろんゼロではないが、とても少ない。マレである。今までのオレの経験で、TAXIで値段がおかしいと思ったのは一回だけだ。むしろ道に迷ったからと勝手に安くしてくれたり、オツリがないからとマケてくれたことが何度かある。アジアでこういう ”いい経験”はTAXIではゼロである、ボラれはモチロン何度もあるがー

ブラジルの「口紅と香水」の世界はどうか。オレはこの世界はほとんど知らないのだがー
で、詳しいダチにきいてみると、リオでもサンパウロでもボラれたことはないという。高い安いはあるが、それは店の値段であり「足元を見てボル」のとはまったく違うらしい。

リオのコパカバーナに直角に接続する道にがある。リオの大通り、派手なネオンサイン、黒服のドアマン、夜来る観光客はそれをバスかTAXIからみながらコパにはいる。そこに具体的にどのようなものが待っているかわからなくても、「口紅と香水」関係であることは余程の田舎者でない限り気づくだろう。で、瞬間的に「ヤバソー」と思うだろう。

普通の観光客の心理はこうだ。

ウオッ、派手ェ → これがリオデジャネイロかぁ → 行ってみたい → でもタカソー、ヤバソー → ブッタくられるかもしれない → いやヤラレルに違いない → 身ぐるみはがれるかも → おとなしくホテルで寝る

この感覚は持っていなければならない。決して間違いではない。一般的にこの判断は正しいと言わざるを得ない。

だがーブラジルではーボられない。リオのようなWORLD CLASSの観光都市なのにー

ダチによるとサンパウロでもおなじで、彼はガンガンどこでもイキナリ入っていくらしい。何故だろう、ブラジルはなぜ、この2大ボリ世界でボらないのかー

ーよくわからないー

欧州の文化か、観光行政か、ブラジル人がセコくないのか、 なんなのかーーー

今年の初めにリオからローマに行った。リオのガレオン空港までは、TAXIも通関もプロセスはすべてスムーズだった。ローマに着いた。照明や内装はモダンでセンスがよく 「欧州の空港!」である。しかし「スレている」オレは直感した。おなじ欧州の空港でもスキーポールやフランクフルトマインとは何かが違う。説明できないチガイだ。

”ヤバイ”

即アンチビールスソフト起動ー

空港を一歩出ると、身なりのいいオトコがよってきた。

「TAXIですかーどこまででしょうかー」

そして

「荷物が多いですね。あのVANでどうぞ」

ー普通のTAXIでいいー

「イヤ、値段はフツーのTAXIとまったく同じでございます」

モチロン値段は倍以上だ。空港でやたらに感じのイイヤツは全員ヤバイと考えるのが旅の原則なのだ。例えば、妙に感じのいい空港の両替所はレートが悪い。

オレはローマ空港のネクタイ姿の感じのイイー「TAXI親父」を無視して、長蛇の列の乗り場からフツーのTAXIに乗り市内に向かっていた。オレはハッキリと感じていた。

「ブラジルはイイ、ローマはヤバイ」

−−−ブラジルはいろいろ問題がある。 でもツーリストからボラない−−−

by フェリックス 2006年10月

 

 

 

HOME