江東運転免許試験場


住民票はその日の帰りに取得した。海外在住で日本に住民票のないわたしは、転出届などなくても、どこででも転入届けを出すことができるのだ。時差ぼけで朝異常に早く目が覚めたのをいいことに、朝一番で試験場を訪れ、指示された列に並んで印紙を購入していると、さっそく昨日の係官がわたしの存在に気づいて優先して手続きを始めてくれた。この時点から江東運転免許試験場をあげてのVIP待遇が始まったのだった(笑)

書類が全て揃うと、書類を作成してくれた係官の指示で、別の男性係官がわたしを2階の試験受付場まで案内してくれた。「こちらへどうぞ」という男性係官に伴われたわたしを周囲の普通に試験を受けに来た人々が「いったい何様なんだ?」というような不思議な目で眺めていた。わたしの書類を担当した男性は、どうやらその部署で一番偉い人だったようで、彼の指示でみなが動いているのがわかった。

普通の受験者が列をなして、受付を待っている中、係官に促されソファーに座って待機していると、間もなくわたしの名前が呼ばれて、別の係官がわたしを試験の教室へと案内してくれた。ちなみにわたしの受験番号は「1番」であった。

だんだんと教室内の席も埋まり、試験官が表れて筆記試験の注意事項などを説明し始めた。試験官は繰り返し「いくら合格点に問題を解いても、受験番号と生年月日を間違いなくマークしておかないと不合格になります」といった。そして、真っ先に配られたわたしの回答用紙には、事前にわたしの生年月日と受験番号がマークされていたのであった。「ここまでお膳立てをしてもらったからには落ちるわけにはいかないなぁ」とプレッシャーを感じつつ筆記試験は始まった。時間は充分にあったが、時間いっぱいいっぱい使って見直しをしていた。

次から次に、1秒でも早くこの教室を立ち去ろうとする他の受験者達一人一人に試験官は「発表の時間に遅れないように」と念を押しているのが不思議というか異常に感じた。あれは、親切でいっているのか、受験者が遅れて来ることで1秒でもスケジュールどおりにことが進まないことを嫌悪していっているのか、なんだか現代日本の性格を象徴しているかのようだった。。。一番前の席で何度となく「発表の時間に遅れないように」が聞こえてきて気が散るのを収拾しながら、試験官の「鉛筆を置いて下さい」の掛け声までしっかりと見直しをして、わたしは教室を後にした。合否の発表の時間まで30分くらい待ち時間があったので、久々のカップコーヒーの自動販売機を前にわくわくどれを買おうか迷いに迷って「カフェオレ」を選んだ瞬間「ジャラジャラジャラ」と予期せぬ氷が落ちる音が。。。そう、ホットを押したつもりだったのにアイスを押していた。。。冷房がきいたビルの中でちょっと寒くなっていたわたしはがっかりしながら冷たいカフェオレを飲む破目になってしまった。

特に美味しいとも思えないカフェオレを一気飲みしたところで、係官がわたしの名前を呼んだ。「こちらへどうぞ」という彼に促されて上の階へ階段を上がりながら、係官は興味深そうにブラジルについてわたしにいろいろと尋ねた。そして、「こちらで手続きを進めて下さい」といわれてやっと、自分が試験に合格したことに気づき、係官に思わず抱きつかんばかりに喜んだのだった♪

そのまま、誰もいない写真撮影場所で優先的に写真を撮って、最近新しくなったばかりのIC運転免許証のパスワードを決めたりして講義を受けることになった。講義はたんたんと続いたが、受講生の中に赤ちゃんを連れた女性がいた。彼女は見た感じ専業主婦というより、バリバリ働いているような印象を受けたが、わたしが何より違和感を感じたのは、休憩時間に彼女の傍を通り過ぎる時に何気なく赤ちゃんを見て彼女に話しかけようかなぁと思ったが、彼女のなんともいえない「威圧的な眼差し」にひるんで素通りしてしまった。

東京都心でやたらと思ったのは、周囲の人が赤ちゃん連れの人に冷たいということだった。ブラジルではありえない。赤ちゃんを連れた人はブラジルでは常に優先されて、みんなに親しげに声をかけられる存在である。きっとその彼女は、赤ちゃんを連れているということで人に冷たくされまくって、そういう威圧的な眼差しで反撃してるんだろうなと察知した。

話はそれてしまったが、講義の後、無事に免許をもらって、しかも、この6月から運転免許区分が変わったらしく、「普通免許」だったわたしの免許はなぜか「中型免許」となって、なんとなく得したような気がするのだった。

唯一心残りだったのは、いろいろと融通を利かせてくれた係官に挨拶ができなかったことだ。この場をかりて、

「本当にありがとうございました!江東運転試験場サイコー♪」

この記事が「江東運転試験場」で検索した時に上位になったら、いつかわたしのお礼の言葉が係官に伝わるかもしれない。。。


久々に和式のトイレを見て、つい撮影した試験場のトイレ

by あっこちゃん 2007年8月

 

 

 

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