秘書のMが受賞した!


長い間私の事務所で秘書をしていたMが、今年はじめ独立してフォトスタジオを開いた。そして先週いきなり

「ゴイアス州で2008年にもっとも活躍したプロフェッショナルの10人」

というアワードを受賞した。
この賞はゴイアス州ではもっとも権威!のあるビジネス関係の賞で、州内の多くのメディアで紹介される。彼女以外の受賞者は仏系スーパーのカルフールの役員とか大手建築会社の偉い人で、彼女の受賞は事業規模の大きさからも(たった3人)年齢からも(25才!)異色だ。

受賞理由は、「新しく開いたフォトスタジオのコンセプトが認められた」ことだが、加えてそれまでの活動ーたとえば日本の雑誌に寄稿していたとか、海外のTVドキュメンタリーの制作に加わった経歴なども含め総合的に評価されたらしい。

Mは、16才のときに私の事務所に秘書としてはいってきた。その間2回出て行ってまた戻ってきたりしたが、足掛け8年秘書として働いた。秘書といっても小さな事務所だから、書類仕事だけでなく、タバコを買いにいったり、食事を作ったりとありとあらゆる
細かいしごとをしてもらっった。

彼女がこのアワードを受賞したとき、私はアマゾンに友人と探検に出かけていた。アマゾン中流の小さな港に戻ったとき、ワイフから電話で彼女の受賞を聞いた。その日はちょうど受賞パーティーの日で、私がこのパーティーに出席できないのをMはしきりに残念がっていたという。ゴイアニアに帰ってからパーティーの様子を聞いた。ドレスコードはタキシード、ロングドレスでゴイアニアで開かれるパーティーのなかでもフォーマルで華やかだったのに違いない。

Mはスタジオの仕事でバタバタしているところにいきなりの受賞、パーティーと続き、 ヘアサロンに行くこともできなかったらしい。でも会場ではテレビや雑誌の取材、インタビューを他のゴイアニアセレブ!に混じって堂々と受けていたという。

沢木耕太郎のエッセイのひとつに記憶に残っている一節がある。

それは

「人生の中で ‘お前はなにものかである‘ と言ってくれる人にであうことは、とても大切なことだ、それも若い時にー」

ということだった。

沢木耕太郎が言う ‘何者かである‘ というのは

「お前には才能がある」

「お前にはこのような優れたところがある」

ということに違いない。

まだ駆け出しの若者にとってそのようなことを言ってくれる人に出会うことの大切さについて、彼自身の人生を振り返って書いていた。

Mと仕事をした8年間のなかで私がその役割を果たせたかどうかはわからない。この賞の受賞は彼女のフォトスタジオの仕事の大きな助けになるだろう。

しかしもっとも大切なことは

「お前はなにものかである」

ということを受賞によって証明されたことではないかと思う。

by フェリックス 2008年12月

 

 

 

HOME