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楮佐古 晶章(カジサコ アキノリ)写真展
「Minha Vida」
銀座ニコンサロン 2/14 (水)〜2/20 (火)

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楮佐古晶章さんの写真展に寄せて

銀座のニコンフォトサロンで2月14日から20日まで友人の写真家、楮佐古晶章さんの写真展が開かれる。テーマは「Minha Vida」、英語にすると「My Life」、日本語では「私生活」と訳されている。

楮佐古さんと知り合って数年になる。
それほど頻繁に会う機会があるわけでもなく、サンパウロで年に1−2回会う程度にすぎない。その時の楮佐古さんはいつも疲れているようでもあり、そうで無いようにもみえる。場末のバーでありふれたガラスのコップにビール注ぎ杯を重ねるうちに、すこし高揚してきて取りとめの無い話をダラダラと続けることになる。

それは殺された娼婦の話だったり、高速道路の下の空地にある不思議なエクササイズのジムのことだったり、ストリップ劇場の踊り子のエピソードだったりするのだが、そのテーマは一貫している。南米最大の都市サンパウロの成長に乗り切れず 「振り落とされた人々」 の様々エピソードなのだ。

楮佐古さんの語り口は短文形でややぶっきらぼうなのだが、そこに「振り落とされた人々」にたいするセンチメンタルな思い入れや、同情や、そのようにせしめた社会への怒りを感じることはない。ただ淡々と語るだけである。

楮佐古さんは何年か前に自費で「Minha Vida」というタイトルで写真集を出版した。小冊子を厚くしたようなシンプルなつくりの写真集だった。そのページを開くと、場末のバーで彼から聞いていた世界が何の手も加えられずそのまま白黒の写真として切り取られていた。

その控えめな装丁の写真集をパラパラとめくった時、いまは文学史のなかに静かに埋没しつつある作家たち、織田作之助、太宰治、椎名麟三、そして野坂昭如、五木寛之にいたる無頼派とか焼跡闇市派などと呼ばれた一群の作家を想起した。彼らもまた戦後の混乱した日本社会の中で、あるいは60年代の高度成長の中で「振り落とされた人々」 を描いている。楮佐古さんは言うまでもなく写真家だが、精神的には彼らの系譜に連なるのかもしれない。

東京の銀座、それもニコンのフォトサロンという写真家としてこれ以上は望むべくもない条件のなかで開かれる楮佐古さんの写真展に人が足を運んだとき、どのような印象をうけるだろうか。その写真は多くが地球の反対側にあるサンパウロで撮影されたものに違いない。しかしそれは、ある種の人たちにとって、彼等が日本ではるか昔に過ごしたある時代へのノスタルジーであるはずだ。それはサンパウロと東京、現在と過去という時空間を超えて 「時代を共有する」 ということに違いない。

by フェリックス 2006年1月