ブラジルで視力矯正の手術 3


他のブースでは、電灯も落とされて閉店しているところもあったから、もう今日の検診は断られるかもしれないとドキドキしながら、受付の女性に聞くと、「大丈夫ですのでお待ち下さい」とのこと。確かに、このブースには、まだ3人ほど患者が待っていた。

そういえば、ネットでどの医者にするか決める時にこの眼科医は夕方6時までやっていると書いてあった。うちの近所の医者なんか、診察は午前中だけしかしてないから予約は1週間先なんて言われて、ブラ男が激怒していたのを思い出した。ブラジル人は、働き者とそうでない者との差が異常に激しい。

間もなく、受付の女性に伴われて、日本でも車の免許更新なんかでお馴染みの視力の機械測定をしてもらった。ブラジルだから、古い機種かもしれないなんて、ちょっとバカにしていたが、ここには、最新の機器が揃えられていて、当然だが患者毎にきちんと消毒するから安心である。

どうやら、ここの中2階にある数えていないが恐らく10程のブースで、こうした高価な機器を共有してコストを下げているようである。これは、なかなか合理的な病院のあり方だと感心した。この建物自体が、レーザー治療を専門としていて、この町の他の個人開業医が自分の患者にレーザー治療をする時には、ここの施設を利用するようだから、日本でいえば、大学病院のような感じなのかもしれない。とはいっても、日本の大学病院とは比較の対象にならない位、建物も内装も働く人たちの雰囲気もお洒落で洗練されている。このあたりは、ブラジル人のセンスの良さを凝縮している。

視力の検査をしてもらってからの待ち時間が異常に長く、わたしの前だった患者が診察室に入った後、あまりに長時間出てこないから、もしかして、先生はいなくなったのかもしれないと錯覚を覚えるほどだった。というのも、他のブースは全て電気が落とされて、物音も全然しなかったからだ。かなり不安になった頃、やっと診察室から患者が出てきて、受付の女性が「AKIKO」とわたしの名前を呼んだ。

ブラジルでは、子供であろうと大人であろうと関係なく家族が付き添いで診察室についていくのは普通だから、ブラ男と一緒に診察室に入った。

診察室は薄暗く、先生のデスクにだけ明かりが灯されていた。わたしは、コンタクトレンズも眼鏡も着用していなかったから、担当医の女性の大まかな雰囲気しか見とれなかったのだが、見えない目でもこの先生がかなりの美人だということがわかった。

先生は、おそらく30代前半、金髪の白人の女性で、マドンナを若くして賢くした面持ちだ。白衣を着てはいるが、日本ではありえないけれど、ブラジルでは身だしなみとして当然のように、大きなシルバーのイヤリングに真っ赤なマニキュアを塗っていた。ちょっと小柄なのが残念という感じだったが、スタイルもなかなかよさそうだ。

普通の男性だったら、先生の美しさにドギマギしてしまいそうなところだが、ブラ男は気にも留めてない。こいつには、目があるのだろうか?というか、この女性を美人と気づいていないとしたら、彼の女の好みっていったい。。。と彼の妻として複雑な気分になった(笑)

普通に検査を進めて、視力にはかなり問題があったが、目は健康そのものだった。ブラ男に「視力矯正手術」のことを聞いてよとつつくが、ブラ男は「先生の方から勧めてくるはずだからそれを待て」という。ある意味、この先生の貪欲さを試すつもりだったのだが、先生は一向に手術の話はせずに新しい「メガネ」を作らないとね。などとのたまわっている。

痺れを切らしてブラ男を再度つつくと、ようやく「実は、彼女は視力矯正のレーザー手術をしたがっているんだ」と切り出した。

先生は、虚をつかれたように一瞬戸惑って「あなたの視力だと度があまりに強いから手術をすると近くが見えなくなってしまうからやらない方がいい」と答えた。一応、レーシックについてネットで調べてはみたのだが、そういうことは知らなかったから、やっぱり一長一短なのだなぁと思いつつ、もともとの目的は「車の運転ができる」というラインだったから、その旨告げた。

先生もそれを聞いてちょっと安心して、それだったら大丈夫だから、レーシックが可能な目かどうかを検査する日を受付で予約して帰るように指示された。

(つづく)

by  あっこちゃん 2008年8月

 

 

 

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