ブラジリアン ドラゴン


先日会社で謎の物体を発見した。正確に言うと、会社にいるチビと言う猫が何かと格闘していたので、格闘技ファンの私はすぐさま、観戦に駆けつけた。

猫が戦っていたのは、謎の生物だった。

一見蛇のように見えるが、その体色と恰好はミミズだ。口がピンクで艶めかしい。

得体の知れない物に対し、異常に怖がる会社の従業員どもは「キャー」とか「ヒー」とか訳の判らぬ奇声を発しながら、後ずさりし「変な毒蛇がいる。」「早く殺さないと、猫が噛まれて殺される」とおののきの表情で、私に忠告してくれる。

「じゃーお前が殺れ」と言ったら、また.「キー」とか「ヒー」とか言いながら、更に、後退を始めた。

大体、誰が毒蛇と決めた?
お前の頭は未知の生物は皆、猛毒を持つエイリアンか?

観戦の邪魔だ。もっと後ろに行ってくれ。「さあ、野良猫チビ、戦うのだ」と言ってみたが、猫はもう飽きた。という顔でよそ見していた。

はるか後方から従業員が「早く殺さないと猫が....」とまだ言っている。

実は、何を隠そうこの得体のしれない生物は「龍」なのだ。
知ってたかおまえ?
と従業員に尋ねると

「嘘だー」....
「龍は伝説の生き物で本当はこの世に存在しないんだ」
「と思うー。」
と段々声がか細くなっていった。

「本当です」
「これは龍です」

この生物は難しく言うとGymnophiona目(無足目)に属している生物である。Gymnophionaの意味は裸の蛇、もしくは、細竜と言う事。
つまり、「龍」なのである。

この生物は、あまり人に知られていないくせに、多くのニックネームを持っており
別名メクライモリ、もしくは、アシナシイモリと呼ばれている。

両生類。つまり、水の中と陸上の両方で生活する生き物の仲間である。要するに、「カエル」の仲間だ。「なんだカエルかー」と思えば親しみも湧くというものだ。

一応イモリと名前が付いているから、同じファミリーでもどちらかと言うと山椒魚(サンショウウオ)やイモリに近いのだろう。
サンショウ魚とは魚と名前が付いているくせに足がある。
一方今回主役の「龍」はイモリと呼ばれるのに足がない。

まあ、これら両生類と呼ばれる生物は、水に住んでみたり、陸に住んでみたり、魚と言われても、足があったり、イモリで足がなかったり、あまのじゃく的生物なのかも知れないな。

更に、この「龍」にはもうひとつの特技がある。地中で生活しているのだ。そして、メクラと呼ばれるように目が退化しているのか、進化しているのか、またしても、あまのじゃく的お遊びなのか?外見上目がほとんどない。

そして、ミミズ的生活をしながら、土は食わず。時々地上に出てきて、猫と対決したり、バッタなどの小昆虫なども食べているらしい。

「龍よ」
貴方は何のために、地上に存在するのか??

彼の同族には水中で生活する者もあるらしい。

水、陸。地中で生活する生物。
私は、この龍の事を知っているようで、実は何も知らないのだった。
本当は龍ではなく、従業員が言うように、猛毒を持った未知のエイリアンなのか?

by  ヒカルドン 2008年3月

 

 

 

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