女系家族


ブラジルに来て、色々な人たちと知り合いになったわけですが、多くの家族に共通するものに女系家族ということがあります。まず、子供が生まれるのに圧倒的に女の子が多い、と殆どのブラジル人が言うのです。「女6人に男1人」と一般的に言われます。
生物学的にはおかしいと思われる数字ですが、実際に9人兄弟で男は2人とか、6人兄弟で男は1人など。食べ物の関係もあるのかもしれません。本当のところはわかりませんが。。。。。。。

そして、もう一つ、結婚するときにお金持ちの娘さんと結婚して、一生を安泰に暮らすということがあります。

私の友人のお父さんは、文盲だと聞いていますが、お母さんがかなりお金持ちだったようで、お父さんの手腕でそのお金を増やしました。お子さんが10人あって、そのうち男の子は2人だけ。皆さん優秀で、経済的にも困らないようです。その中の1人(Rosy)が去年日本に遊びに来たときに聞いた話をご紹介します。

10人兄弟のうち1人は、お母さんが違うのであまりお付き合いがないということ。他の兄弟たちも男の兄弟2人は、大きなFAZENDA(ファゼンダ=牧場)を企業体として経営し、利益を上げているということ。姉妹たちのうち、経済的に問題がないのは半分くらいであるということ。―――ここで言う、経済的に問題がないというレベルは、日本人が考えるものとは大きく違います。日本と比較すれば、大変なお金持ちで日本の中流家庭の経済力とは比較にならないハイレベルな家庭です。

さらにブラジルでは、子供が結婚相手を選んだときに最終的にはどんな相手であっても認めるというのが普通です。たとえ、経済力のない相手に嫁ぐことになろうとも愛があればどんなことでも乗り越えられると考えるのは、恋する女の常ということでしょうか。

そして、私が聞いた話。結婚相手にあまり経済力がなかったので、何かといえば親にねだって、今はアパートの家賃収入で暮らしているお姉さん(Helen)の話。

一時期、アパートメントホテルに移り住んで、宣教活動に専念するというので、そのアパートメントホテルを見せてもらいました。ご主人がよくOKしたなと感心していると、支払から生活費すべては、Helenから出ていました。それでも250uもあったアパートから、寝室1つに10畳ほどの居間スペースと小さいキッチンスペースがあるだけの生活にご主人が我慢できず、元のアパートに戻っていきました。家具も売り払ってしまったということなので、戻った当初は家の中もがらんとしていましたっけ。

娘さんが2人いるのですが、長女もお父さん(長女から見ればおじいさん)の牧場で働いていたハンサムな牧童と結婚し、はじめは牧場で暮らしていたのです。でも、子供が2人できたことで近くの町に移り住み、牧場の仕事と親からの援助で暮らしています。
次女は、去年、こちらもハンサムなブラジリアの青年と結婚したのですが、結婚後はゴイアニアで住むといいます。仕事は?と聞いた私に、Rosyは、弟の紹介で飼料をあつかう会社に就職したけれど、あんな安いお給料(R$600.00≒¥40,000)では家賃も出ないから、姉(Helen)が持っているアパートを一つ空けてもらって、そこに住んでいるのだということです。生活費の援助は、絶対に受けているはずだとのことでした。
事実、1年たって、Helenの資金援助でダウンタウンに食堂を開き、生活は安定したと聞いています。

もう一人の妹(Rose)さんは、お医者さんと結婚して何の問題もないと聞いていたのです。Rose自身に聞いたところ、ご主人はお医者さんとしてはあまり働いていないようです。そして生姜をベースにした日本で言えば、仁丹に相当するようなものを作って売っていました。その仕事を長男に譲って今は、RoseのFAZENDAの収入のみということです。

日本に遊びに来たRosyもご主人が亡くなった後、ご主人の年金がかなり入るので、悠々自適の暮らしをしていますが、同棲している男性は一切生活費を払わず、脳梗塞と心筋梗塞で死にそうになったとき、ヘリコプターをチャーターしてサンパウロの病院まで空送して一命を取り留めたのですが、その費用全部は、Rosyが払いました。入院中、浮気がばれてRosyから問い詰められ、「もう、しません。。。」と泣いて謝ったとのこと。

そして、お金持ちのお父さんが2年前に亡くなったので、その相続財産で子供たちが潤ってすでに持っていたお金持ちのレベルが一段上がったと思います。ちなみにブラジルのFAZENDAの相続税は、評価額の3%ということですから、ただで相続するようなものです。(FAZENDA以外の相続財産は、相続税率がもっと高いらしいです。)そして、ブラジルでは、益々、女性に頼ることになるのです。

休みの日には、娘がボーイフレンドを家に連れてきて、夜遅くまでべったりといます。
ここで嫌われるようなら、結婚はともかく、将来の援助はおぼつかなくなるわけですから、ボーイフレンドも必死です。愛想は悪くないし、家の中の簡単な修理はするし、サービス精神旺盛です。離婚した後も奥さんの実家の修理をてつだっている人までいます。いつか、復縁したときのことを考えているのでしょうか? まさか、ね!

でも、お金持ちの家族だけではありません。会社の秘書も実力を発揮して、会社に対する貢献度は絶大なものがあります。そして、自分の家族、親戚を会社に売り込んできます。人材という点では、ブラジルほど差が大きいところはありません。

◎お金は欲しいけれど、働きたくない。とか、
◎自分の力を実力以上に評価して不当な要求をしてきたり、
◎上司がくみし易いと思うと、勝手なことをしたり、
◎遅刻や欠勤をしても言い訳だけがうまい。 などなど。

良い従業員を見つけるのも大変です。そんな時、偏りすぎてはいけないと思いながらも、コネクションの少ない外人経営者ですから、知り合いの推薦者は、採用します。
彼女の推薦の場合、はずれは殆どありません。でも、家族中、彼女に頼るわけです。ここでも女系家族の下地ができつつあります。

このように、ブラジルでは、女の人が一家を支えているという状態になるのです。

ただし、女性陣は、あくまで外見を装うことを忘れません。ご主人が「金髪が好き。」と言えば、髪を脱色して金髪に染めます。その努力には、涙ぐましいものがあります。
日本の男の方には、うらやましい社会でしょうか????

でも、これも男性側に経済力が移ると、立場は逆転しますので、日本の女性の方、ラテン系男性は、優しいだけではないことをお忘れなく!!

文中の名前は、仮名です。限りなく実名に近いものですが。。。。。。。。

by  チロブラジル 2007年12月

 

 

 

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