Camelodromo


日本から甥が遊びに来た。大学の夏休みを利用して、ブラジル旅行を楽しもうというわけだ。主人と一緒にリオやマナウスに行き、ゴイアニアに戻って来た時に、「サッカーのシャツと国旗を買いたいんだけれど、売ってますか?」と聞いてきた。私は、あまりサッカーに興味がないので、「ショッピングセンターかダウンタウンで売っていると思うけど。」と答えて、帰国の前日、見に行くことにした。


まず、ショッピングセンター。今までの知り合いは、オフィシャルな物を欲しがったので、ほとんどがショッピングセンターに連れて行き、スポーツ店で公式のユニフォームを買うというものだった。でも、甥はショッピングセンターに行く車の中で「リオの海岸でR$30.00で売っていたんだけど、叔父さんがゴイアニアでも売っていると言ったので、買わなかった。」と言い出した。

数年前、カナダの友人を連れて行ったときは、R$80.00位していた。最近のブラジルの物価上昇率を考えると、R$100.00以下で買えるとは思えない。ヤバイ!と思いつつ、一応、値段を聞いてみると、案の定! 一番安いものがR$159.00もする。 甥も「リオで買っておくんだった。」と残念そうな顔をしている。彼は、R$150.00以上も出して買う気はないのだ。

「明日の飛行機は、お昼の12時頃だったわよね。朝、一番でダウンタウンに行きましょう。旗屋は、ダウンタウンにしかないし。」

ということで、帰国する日に買い物に行くことにした。

唯一知っているお店に聞いてみると、「ユニフォーム、今ないのよね。」と売り子のお姉さんのつれないお返事。「残り物は少しあるけど。」と店頭の箱を指差す。値段を聞くと「R$13.00」とのこと。安い! 甥もにっこり笑って、箱の中をかき回している。小柄な彼は、自分に合う大きさを見つけたが、ちょっと汚れている。「洗えば落ちるから、問題ない。」とお姉さんに言われて1枚購入。買ったユニフォームは、ブラジル セレッソン(代表チーム)のもの。他のも欲しいというので、カメローを覗いてみることにした。

ここで、CAMELÔの説明を少し。ブラジルは、輸入品に高い税金がかかるので、庶民の皆さんは、税金を払わずに品物を手に入れようとする。需要があるところに商売は発生するわけで、なぜか輸入税がかかっていない品物が売り出される場所がある。それをCAMELÔ(カメロー)という露天商の人たちが売っている場所を同じくCAMELÔとよぶ。CAMELOと頭に飾りのつかないOの単語は、ラクダという意味がある。


 ラクダがシンボルマークになっている。カメローの入り口

中に入って、探すとありました。サッカーのユニフォームを売っているお店が!
甥も大喜びで、「LCミランのユニフォームあります?」と聞いている。残念ながら、サイズがなくて別なチームの物を2枚購入。〆てR$40.00。2枚買ったのに、値切ってあげるのを忘れてしまった。でも、望みのものが思った以上に安く買えて、ご満悦の様子。叔母としても面目が立ったというものである。

この時は、カメラを持っていかなかったので、後日、写真だけを撮りに行った。


入り口付近から奥を見る


商品のメインは、日本製の電気製品やカメラ。最近は、デジカメが
人気のようである。ただし、電池は単3電池を使用するものが主流。

中に入って、カメローの雰囲気をパシャリ、パシャリと写していると、男の人が「*****」と話しかけてきた。あまりに早口で良く分からなかったので、「私は外人でポルトガル語が良く分からないので、ゆっくり話してください。」と言うと、「何故、写真を撮っているのか?」と聞いてきた。「ブログに記事を書いて、ブラジルを紹介しているのでそのために写真がいる。」と答えると、「あ〜、そう」と言って戻って行った。許可が要るのかな?と思いながら別な方を撮っていると、今度は、ガードマンが「社長が話があるので、ちょっと一緒に来て欲しい。」と言っている。一応、同じ理由を繰り返すと、「Can you speak English?]とあちらも片言の英語で聞いてきた。それ以上の英会話は成り立たず、2階の事務所に案内される。

ここでも「どうして写真を撮っているのか?」との質問。同じ返事をすると、最初に聞いていきた男の人が上がってきて、「ブログに記事を書いているんだって、問題ないよ。」とか何とか言っている。

一応、正規輸入品を扱っているわけではないから、まずかったかな? 写真はダメって言われるかな?と内心ビクついていたら、「そういう事ならOK。」と言って、カメローについて話してくれた。

ここのカメローは、ゴイアニアで一番古い公式のカメローであるということ。
CAMELO(ラクダ)をシンボルにしたのもここが一番最初であるとのこと。
観光バスも来るということ。など、など。

フン、フンと聞いていたのだが、要するに密輸品を売買しているのに公式と言うのもおかしな話。後で、聞いたのだが、盗品が売られることもあるとかで、警察の筋だとまずいと言うことらしい。ただ、一般的には警察も黙認していて、何の問題もなくずーっと営業を続けている。ゴイアニア市には、他にも何箇所かのカメローがある。だいたい、ヤバイ場所なのに堂々と看板を上げているというのも、大胆と言うか、袖の下が行き渡っていると言うか、日本では考えられないシステムである。

ゴイアニア市で暮らし始めてすぐの頃、ここで傘を買った。ビニール袋には、「日本向け高級品ジャンプ傘」と日本語で印刷されていた。当時('93年ころ)、日本でこの手の傘は、ちょっとしたところで買うと3000円から5000円位していた。私が払ったのは、約800円。中国製の傘で、もしかしたら日本の品質検査で跳ねられた物かもしれないが、それにしても近くの日本での価格と遠いブラジルまで持ってきての価格の差に、唖然とした。今でこそ、500円傘が日本でも主流だが、当時は「ここで買って、日本で売ったら儲かるのにね。」と思ったものだ。

最後に社長さんと奥さんの写真を撮らせてもらった。断られるかなと思ったが、「いいよ。」と機嫌よく応じてくれた。


露天商歴何年くらいなのだろうか、ちょっとしたたかさを感じた
カメローの経営者のご夫婦

普通のブラジル人と唯一違うのは、顔を寄せて写りたがらなかったこと。
日本人としては、このスタイルの方がうなづける。

by チロブラジル 2007年9月

 

 

 

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