ブラジル生活あれこれ  猫に注意  2


ブラジルでGATA(ガッタ)とはメス猫の意である。先日猫と言う言葉は、悪い意味に使われると言ったが、ブラジルでは、いい意味で頻繁的に使われていることを忘れていた。

ブラジル人男が最も愛する言葉の一つがメス猫(GATA)である。

ポルトガル語の名詞には、男性名詞と女性名詞があり、基本的には最後の文字が「O」で終わる物が、男性名詞、「A」で終わる物が女性名詞だと覚えておけば簡単だ。つまり、GATO はオス猫、GATAはメス猫である。ちなみに ピラニア PILANHAは 女性名詞、 しかもこれに伴う男性名詞はない。

さて、お解りとは思うがこのメス猫のもう一つの意味合いには「いい女」「美しい女」「綺麗な女」という意味が込められている。いい女の正当な表現ボニータ(BONITA)を猫と発音するわけだ。

ブラジルでは友達と道を歩いていていい女とすれ違った時などは、必ず相棒が「見たか今のガッタ”GATA”」という決まりになっている。

更に、レストランやBARの窓からいい女を発見したときなども「見てみろよなんていいメス猫だ”QUE GATA”」と言わねばならない。

そして、いい猫には「君は綺麗だね」と声もかけねばならない。

また更に、応用編になると猫が進化して”パンテイラ(パンサー)”になる事もある。パンテイラは挑発を含んだ怪しさを持ったグラマーな女性に当てはめられる。

親しみを込めて、「可愛い女の子」には、子猫にあたるガッチーニャ(Gatinha)を当てはめなければならない。ポルトガル語も、なかなか面倒くさい。

いい女に「猫」の称号があるように、男をあさり、男の尻ばかり追いかけている女の事は、軽視を込めたメンドリ、ガリーニャ(Galinha)と隠語でひそひそと囁かれ、更にひどいのはピラニア(Pilanha)と一蹴される。

さて、いい女は確かに猫科の動物に備わる、しなやかさ、豪華さ、気品、気まぐれ、プライド、野生で生きるハンターだけが持つ殺しの香り、そして、わがままと男どもをそそる要素をかね揃えている。日中しなやかに腰を振りながら堂々と歩くブラジルの猫達を見ていると、ついこの国は「野生の王国である」と再認識してしまう。アフリカのサファリに野生の動物を見に行くのと、ブラジルの洗練された町を闊歩する猫を見学するのは同等の価値があると思っているのは私だけであろうか?

さしずめ、ブラジル人男は「ハイエナ」であるがごとし。街角で獲物を遠巻きに眺めている。見つけた獲物からは目をそらさない。時には,うっかりしてピラニアの餌食となり、悲惨な目に合っている奴もいる。そういう光景を目の当たりにできるブラジルの町はまさにサファリだ。

ブラジルの猫道を極めるのは野生同様、そんなに簡単な事ではないのであったりする。

by ヒカルドン 2006年11月

 

 

 

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