リレー記事 「ぶっちゃけどうよ?ブラジル人との国際結婚1」


まずは、辛口フェリックスから♪

ブラジル人との国際結婚は −−多分−− 難しいと思う。それは「階級社会としてのブラジル」についての知識と情報の欠如、それと想像力が不足していることが大きいと思うからだ。

複数の日本人とブラジル人の国際結婚とそれからを見てきたし、また、人づてに話や噂をいろいろ聞いたがそれについて直接は書きにくい。だからその個人的な見聞から一般論として書いている。もちろん例外は現実にあるだろう。単にいくつかの例から一般化を試みた仮説であり、私見に過ぎないことをあらかじめ断っておこう。

さて、日本は階級社会ではない、ブラジルは階級社会である。

第二次大戦後の民主主義体制で長く続いていた階級社会が日本ではほぼ完全に崩壊した。そして、名実ともに世界で類を見ない「総中流」「無階級社会」が数十年続いている国、日本。

「貧富の差が極端で」、「階級社会」であるブラジル。

日本は家庭が貧しくても、高学歴で高度な知識を身につけてエリートとなるひとはゴロゴロいるが、反対にブラジルではとても少ない。日本でも東京大学などエリート校の学生の親の収入が平均に比べかなり高いことが指摘されているが、ブラジルに比べれば問題にならない程度であるのは容易に想像がつく。

日本では一般に教育水準が高く、「人に迷惑をかけない」とか「借りたお金はきちっと返す」などの社会常識は、年々衰えてきているとはいえまだ、社会にひろく行き渡っている。ブラジルでは違う。ブラジルでは階層(所得水準)により、教養、物腰、知識は当然 常識や生活習慣にいたるまで大きく異なり、当然、社会階層が高いほどそのすべての点においてレベルが高い。その差は”目がくらむほど”大きい。

ここに問題が生じると思うのだ。つまり、日本の中流階級−「日本国民の大多数はブラジルの上層レベルの教育水準と社会常識を備えてしまっている!」ことだ。逆に言うと、ブラジルのほんの一部に過ぎない上層レベルの人しか一億総中流といわれる日本人とおなじ教育水準と社会常識を備えていないともいえる。

日本人同士の結婚ですら婚約時代や結婚直後のHOTな時はともかく、家庭環境の違い、習慣の違い、はては趣味の違い、食べ物の好き嫌いまで結婚生活が落ち着くまでゴタゴタするネタには事欠かない。まして両者に圧倒的な教育水準や社会常識の差があり、それにさらに育った国の文化の差が追い討ちをかければゴタゴタでは済まず、早晩破局に向かう確率が高いのは想像にあまりある。

個人的にはブラジル人との国際結婚の場合、国の文化の差よりむしろ教育水準や社会常識(家庭教育と言い換えてもいい)の差によるストレスの方が大きいと思うのだ。私見では、アメリカにしろ欧州にしろブラジルにしろ日本にしろその社会の中流階級(所得が5万ドルから10万ドルくらいのイメージ)の社会常識や家庭教育も含めた教育水準は大体似たようなものだと思う。個人的な経験からそのように感じることが多い。

ただ国によってこの中流層の幅が日本のようにとても広い国から、ブラジルのように極めて薄い国とがあり、その分布の差は本当に大きい。

さて、ブラジル人との国際結婚だ。私の見聞きしている範囲では、ブラジルに来た日本人がおそらく彼らと同じような社会常識や、ある種の文化を備えているブラジルの中流層(ブラジルの上位20%くらいか)の女性(男性)と知り合い結婚に至ることは簡単ではない。この層になるとブラジルではすでに裕福といえる階層で、海外に留学していたり学歴も高い人が多く、当然恋愛競争率も高い。多くのレベルの高い競争相手が現れる。 
まず彼女たちには、「日本人がお金を持っているから」ということが結婚の理由にはならない。彼女たちは不自由なく育ったお嬢さんなのである。彼女たちの家庭を訪れると、話題も豊富で会話は多岐にわたり、シアターにいったりオペラを見に行ったり、海外留学の経験を語ったり、食事のしかたからしてエレガントで日本の”お嬢様”とそう変わらないことに気づく。

人間として良い悪いを論じているのではない。社会常識や教養、趣味、物腰動作などをモロモロを含めた一種の”文化力”について言っている。

一方、ブラジルの人口の大多数を占めるその下の階層では、そのあたりの雰囲気、”文化力”が激変する。日本人の多くが備えている”常識”は大きく欠如していて、人のお金を頼りにする、ウルサイ音楽が好きで、日本がどこにあるかの知識もない、当人はともかくそのファミリーにまで借金を申し込んでくる、趣味は近所の人とのおしゃべりで、家には始終親戚やら友達やらが出入りする。食事の内容やその出し方から上層とはまったく違う。

現実的には ブラジルに来た日本人が相手にする、してもらう、または日本で恋愛対象として知り合えるブラジル人にはこの階層の人がほとんどのように思う。ましてや人当たりがよく、階層によらず異性の扱いがうまいブラジル人だから、付き合うともう見えなくなってしまう。そして特に”可愛くて庶民的で明るくてザックバランな女性”が好みの日本男性は、高目のブラジル女性にはビビってアクセスできないという事情も介在しているように見える。

一億層中流で教育水準の総じて高い日本人は、ブラジル人と結婚する”社会階層リスク”についてほとんど想像がつかない。気づいたとしても中流以上のブラジル人(上層ブラジル人)は恋愛対象としてハードルがかなり高い現実が一方である。

by フェリックス 2006年10月

 

 

 

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