アマゾンの朝食シリーズ  クスクス


アマゾンの朝食、最後はクスクスでしめてみようか。

クスクスはトウモロコシの粉を蒸しあげた簡単な料理。食感はパサパサで特に味もなく、はっきり言うと美味くない。が、それは素人の言うことらしい。

この料理は、ゆっくりゆっくり、牛のように何度も何度もかみしめて味わう物らしい。

そうすると、味がじわじわ染み出して来て、その味の向こうにある風景が見えるらしい。それは、幼い頃や辛かったときの記憶だそうだ。

「クスクス」この語源からも想像出来るようにこれはアフリカ渡来の食べ物である。

なぜアフリカの料理がアマゾンの朝食に堂々と提供されるのか?

そこがアマゾンの、ブラジルの懐の深さなのであろう。多くの移民者により形成された人種の坩堝と形容されるブラジル。各々の国の風習や食文化が持ち込まれ、その中で一風変った混沌のブラジル文化が形成され続けている現在進行形の国ブラジル。

そのオリージンがアフリカかそうでないかなどと言うことは語るに足りぬ問題で、そもそもそんなことも知らない人達が当然ブラジルの食べ物として普通に食べている。

アマゾンの朝食屋さんだからアフリカ伝来の物は出してはいけないと誰が決めた?と言うおおらかさがブラジルのいいところでもある。

アマゾンのおふくろの味は、そのままアフリカのおふくろの味でもあるわけだ。

アマゾンの朝食には、調理に多少時間の掛かる物が多い。またその料理をゆっくりと深くかみしめながら食べないとその本当の味が解らない物も多い。

アマゾンの朝食はその、おおらかさ、ゆったりとした人類本来の時間ペースに戻すのをその真髄としている。
せかせかした都会の日常のコーヒーを流し込む朝食では味わえない味の向こうに見える風景を提供する朝食がアマゾンにある。

ここにいたり、なぜ土日に営業しているのかようやく理解にこぎつけたりするのであった。

by ヒカルドン 2007年1月

 

 

 

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