ブラジルのヘルシー志向


健康食、健康食品は先進諸国では完全に定着しているように見える。有機野菜を中心に有機食品は日本中にあふれていてスーパなどで普通に売っている。ヘルシー志向は完全に定着し、ファミレスでもメニューに
カロリーを併記するのがあたりまえのこととなっている。

ブラジルでもここ数年でヘルシー志向が急激に広がっている。特にサンパウロ、リオデジャネイロの2大都市ではヘルシー志向は当たり前で、食ビジネスを展開するキーワードの一つであるのは間違いないだろう。サラダバーはシュラスカリアでは当たり前のものになっているし、Plato do Dia と 呼ばれるランチをとるとその量が年々減ってきている。それもスペアリブ定食とかテンダーロイン定食、サーロイン定食、チキン定食と肉一色だったのが、魚も選べることが多くなった。以前はオレンジジュースを頼むと、砂糖を勝手に入れて持ってきたのが、「砂糖を入れますか?それとも無しで」と聞かれるようになった。コーヒーもいいレストラン以外では当たり前のように砂糖入りのドロリと甘いコーヒーが出てきたが、最近では砂糖は自分で入れるスタイルに変わってきている。

日本食レストランはここ数年で、「ものすごい」という表現をしてもおかしくないほどの勢いで増えた。いまやサンパウロでは日本レストランのほうが、ブラジルの代表料理シュラスコを食べさせるシュラスカリアよりずっと多いと言われている。ロケーションも日本人街が中心だったのが、今ではサンパウロのどこにでもある。日本食を食べるだけが目的ならわざわざ日本人街に行く必要はなくなった。

Vejaという雑誌が毎年選ぶ「ベストレストランランキング」の日本レストラン部門の上位に必ずランクされる有名な、「Jun Sakamoto」 はPinheirosという住宅街にあるし、「Kinu」 はHotel Grand Hyattのダイニングで、Brlooklinというビジネス街にある。ブラジル人をターゲットにしているのは明らかだ。値段は東京並みである。サンパウロではポルキロと呼ばれる食べ放題のレストランでも、少し高級なところは寿司や刺身を置くところがほとんどになった。名前のあるシュラスカリアで寿司、刺身を置いていないところはむしろ少ないだろう。

このような日本レストラン隆盛の背景にはヘルシー志向の盛り上がりがあるにちがいない。それは食べることで精一杯だったブラジルが、高度成長で可処分所得の多い中流層の厚みが増してきたことと軌を一にしているにちがいない。お金をもちはじめたブラジル人にとって「健康であること」とは「食べること」と同じくらい
重要な関心項目になってきているのだろう。

先進諸国がたどってきた成長へ向かうときの文化面での様々な現象が、ブラジルでもみられるようになった。食文化でもブラジルはヒタヒタと先進国化している。

by フェリックス 2007年1月

 

 

 

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