魚のおつむのスープ


アマゾンにはアマゾンらしい食べ物もある。世界最大のアマゾン河には、魚料理が良く似合う。それも「グロテスクであったほうが、アマゾンには良く似合う」と思う。

今回紹介するのは、巨大草食獣「タンバッキーの頭のスープ」。タンバッキーという魚は、アマゾンの殺し屋として有名なピラニアの親戚筋にあたる魚である。ピラニアの親戚のくせに性格はおとなしく、肉を好まず、
フルーツを好む魚で、体長1m、35kg以上に成長する。フルーツ食いなので、身が臭くなく、美味しい。また煮て良し焼いて良し、揚げて良しと3拍子揃っており、アマゾンでは、高級魚四天王の一角を長いこと務めている。

この魚、アマゾンでは一般的にスープにされる。もちろん身の部分だけを使い、頭は捨てられる運命にある。ある熱狂的な魚ファンの日本人が、魚の頭の美味さについて店の主人をくどいたらしく、このメニューが誕生したそうだ。

残念ながらブラジル人には不人気で、店のメニューからは降ろされた為、現在は裏メニューとして知る人のみが注文出来るアマゾン究極のスープである。

作り方はいたって簡単。

鍋に縦割りしたタンバッキーの頭をほうり込み、野菜も適当にぶっこみ、そして塩コショウをし煮るだけである。

タンバッキーはいつも、木の実を硬い歯と強力な顎の力で割って食べているため、顔の筋肉が良く発達しており、そのシコシコした身がたっぷりと入っている。さらに脂性なのか、身に一杯油が乗っており、スープは、洗練されたトンコツスープのように濃厚で、思わず「おお、アマゾン」と唸ってしまう。また、魚の顔の大きさがほぼ鍋の大きさに等しく、豪快さをかもし出しておりアマゾン的演出に貢献していることも頼もしい。

その上、頭のスープは普通の身のスープの半額以下の安さであり、そのことが、さらに美味しさを増強させる効果もある。美味しいからといって調子に乗って食べ過ぎると、胸焼けし気分が悪くなるので、腹8部で止めるのがアマゾン通と言うものである。

マナウスはジュリカーバと言う町外れにある「ヘカント ダ ペイシ Recant da Peixe」と言う名前の魚料理屋にしかこのスープはない。何時も満員の盛況の店なので、開店初めの7時頃に行くのがコツである。この時間であるとまだすいているので、席の確保が出来、暇なので従業員の応対も早い。

アマゾンで巨大な魚の頭のスープを堪能することは、アマゾンライフを楽しむ上で結構重要であったりする。

by ヒカルドン 2006年6月

 

 

 

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