ビールのつまみ


酒の「あて」がなくては酒が進まないのは日本人だけだと思っていたがそうではない。ブラジルにも酒の「あて」を提供する、惣菜屋的BARがあったりするのだ。それも、海産物があったりすると、俄然日本人である我々は興奮し、そのセンスのよさに感動し、そしてその魅力の虜になってしまうのだ。魚なんて出された日には、ありがたくて涙モンで、つい「ビールお代わり」と叫んでしまったりするのである。こういうBARが家に近くなんかにあったら、家に帰りたくない病に犯され、毎晩その店で飲みたいと思ってしまう。

これらの店では、これ見よがしに、ショウウインドウ的ガラス張りカウンターに、これは食いたいと思ってしまう商品をこれでもかと言わんばかりに、並べ立て、「さあ、どんどん注文しなさいよ」「早くしないと無くなっちゃうよ」と無言で威圧している。

現にタコがあとひとかけらになっているを、ガラス越しに睨みながら隣のタラコに心を奪われ、挙句の果てに、「イワシの酢漬け」と注文してみたり、イカリングにちょっかい出してみたり、それでいて、最後のタコの事が頭から離れず、注文しようかどうかモジモジしてみたり、ビールお代わりしてみたり、ポケットをまさぐって、今日の軍資金が底をついて来たのを確認しつつ「はぁ、」とため息ついたり。また、明日来るか?と思案をめぐらしたり。それはもう恋に夢中な青年のようにどぎまぎしながら、通いつめる。

ブラジルのこんなお店が楽しいのだ。

by ヒカルドン 2006年9月

 

 

 

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