ず〜ず〜しくなれ!


シュラスコ churrasco(ブラジル発音ではシュハスコ )は、いまでは世界でも名前が知られ、カイピリーニャとならんで世界各国にシュラスコレストランが見られるようになった。

このシュラスコ、肉に岩塩をまぶして炭で焼いただけのシンプルなものだがなかなか奥が深い。握り寿司は究極のシンプル料理だと思うが、シュラスコもコレに通ずるところがある。

シュラスコは鉄の大串に肉を刺して、専門のウエイターが客のいるテーブルに持ち回る。

客は、その中から好きな肉の部位を選び、切ってもらってたべる。そして、客が「もういい」というまでエンドレスに肉がくるシステムもとてもシンプルだ。

ただ、シュラスコを思い通りに好きなパートを好きな焼き加減で食べられるようになるまでは、多少のポルトガル語の知識と経験、それと日本人の苦手な”自己主張”がいる。

ピカーニャ(テンダーロイン)、フィレ(ヒレ)、クッピン(セブ牛の背中のコブ)、コステーラ(あばら肉)、コラソン(鶏の心臓)とかビーフを中心にポークもチキンも果てはフルーツまで回ってくる。次から次と来、食べていてはすぐにお腹が一杯になってしまう。だからほしくないパートの肉が来た時や、少し食べるのを休みたいときは遠慮なく「Não Obrigado(いりません)」といって、食べたいパートがくるまではっきりと断るのがポイントだ。

(写真がセブ牛)

また持ってくる肉の塊はかなり大きく、おなじパートの同じ塊でもよく焼けているところ(BemPassado)や、すでに前のテーブルで切られている断面のレヤー(Mal Passado)の部分が混在している。

さらに「厚く切るか(Grosso)」、「薄く切るか(fino)」、「脂身をカットしてもらう部分に入れてもらうか 」、「脂身を入れないのか」などを言い、カットされる肉をできる限り自分の好みに近づける。

そして、「何カットほしいか」もウエイターに伝えるとよい。「もう一切れ(Mais um)」とか、「二切れ(Mais Dois)」とかいってたくさんカットしてもらうこともできる。

さらに、待っていても自分のすきなパートの肉がこない場合は、ウエイターに

例えば、

「クッピン(セブ牛の背中のこぶ)がなかなか来ない、これを待っている」

と伝えればよい。たいていの場合しばらくして持ってきてくれる。

このように、まず「食べる」のか「食べないのか」、次に食べるなら「自分の好み」をウエイターにハッキリ伝えるのがコツ。これはポルトガル語ができないとちょっとキツイかもしれない。

ただ持ってきた肉を「食べる」か「食べない」かだけはハッキリ伝えたほうがよい。奥ゆかしい日本人は、わざわざウエイターが持ってきてくれた肉を気に入らないからといって「Nao いらない!」というのには少し抵抗があるかもしれない。しかし、ブラジルでは当たり前のこと。「いらない!」といってもウエイターは100%気にしていない。

日本ではとにかくお任せが基本。寿司屋で握りを頼むとき

「トロ」

ここまではいいが

「あっ そこの脂身の薄いパートにして」
「裏側から切って」
「少し厚めのカット」
「シャリは少なめ」
「わさびはミィディム」

などといったら板前に包丁のミネで叩かれるだろう。

同じ国を代表とするシンプル料理でも「お任せ」と「自己主張」まったく違う。

とまぁエラそうなことを書いているが、実はーわたしも初めてブラジルを訪れたときは「いらない!」という一言が、わざわざ席までもってきてくれるウエイターに悪いような気がしてどうしても言えなくて、回ってくる牛肉、豚肉、鶏肉、はてはフルーツまですべて「OK OK OK」といって全部食べた。そうしたらお腹が直ぐ満タンになって、そのうち苦しくなってきてーと・・・まったくシュラスコには歯が立たなかったのでした。

by フェリックス 2006年6月

 

 

 

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