マニキュア&ペディキュア


ブラジルでは、「マニキュア&ペディキュア」は、最もお金のかからないお洒落として貧困層からお金持ちレベルまで完全に浸透している。だいたい、マニキュア1本の値段が百円くらいなのだから当然の話かもしれない。

わたしは、初めてブラジルでマニキュアの値段を見たとき、どれくらい日本の化粧品会社がぼったくってるのかというのを実感したものだ。最近こそ安くなって千円以下のマニキュアが普通に売られているけれど、わたしが東京に住んでいた頃なんか大手化粧品会社のマニキュアは1本3千円くらいしたと記憶している。

ちなみに、わたしはアメリカカリフォルニア州のマニキュアリストの資格を持っているのだが、アメリカの法律では「爪の付け根の甘皮をカットしてはいけない」ということになっている。なぜかというと、無理に甘皮をカットすると出血の原因となってそこから細菌が入って爪の病気になるからとかなんとかいっていたが、つまりは「エイズ予防」が前提だった。

アメリカの美容関係の資格試験で最も厳しくチェックされるのは、「衛生面」で、これさえ押さえていれば実技はほぼOKとさえもいわれていた。それくらい「伝染病」に国が注意を払っているといえる。

一方ブラジルでは、マニキュアの学校はあっても別に国家資格ではないから、ちょっと器用な子が美容関係で働きたい時のとっかかりとなるべき職業である。しかも、意外かもしれないが、ブラジル人は「器用」である。個人的には、偏見かもしれないが、欧米人は平均的に「不器用」だと思っていた。アメリカのネイルサロンは大半が中国人かベトナム人の経営である。アメリカ社会では「アジア系=器用」の構図が不動の形になっている。なのにヨーロッパ移民が多数を占めるブラジル人の器用さを見た時に「貧乏は人間を器用にする」と悟ったものだ(笑)

話を戻して、ブラジルのマニキュアは、基本的には甘皮を出来る限り取り除き爪を長く見せる。よく手入れされたブラジル人女性の指を見せてもらうと、甘皮がすっかりなくなっていて、爪と皮膚との境がおぼろげにさえなっている人もいる。うちのお店で働いていた売り子の女の子は、あまりに甘皮を取り過ぎて爪が剥がれ落ちそうになっていた。。。まぁ、それはやり過ぎというものだが。。。では、ブラジルでは国は衛生面でアメリカのように決まりごとを設けてないかというとそうではなく、「甘皮を切ること」を前提として規則がある。それは、手を浸したり足を浸すボウルに使い捨てのビニールカバーをつけることだ。果たして効果があるのかどうかと思うが、アメリカと違うのは「人の欲求」を優先するところだろうか。

そして、たいていのブラジル人女性は、老いも若きもきれいに塗られた爪を光らせてお洒落である。なんといっても、サロンでのマニキュアの料金も格安だからだ。「マニキュア&ペディキュア」でたったのR$10(6百円)くらいのお店がたくさんある。下手するとR$8のお店もあるからすごい。

マニキュアリストは、上にも書いたように美容業界で働くための最初の職としている人が多いけれど、サロンでのマニキュアの値段がこれだけ安いということは、つまりは彼女達のお給料もそれだけ安いということである。だから、たいていの場合は、みんなマニキュアの安いサービス料金に飽き飽きしてヘアの仕事を目指すようになる。そういうわけだから、熟練のマニキュアリストも存在しないんじゃないかなぁなんて思ったりする。

余談だけれど、アメリカに住んでいるときに気づいたことがあった。

アメリカでは白人女性よりも黒人女性のほうが爪のお洒落に熱心である。アーティフィシアルネイル(付け爪)を魔女のように長くして不器用にモノを扱う様子を見て、当初は、「黒人女性のほうが家事をやらないからだろうか?」なんて思ったりした。

ところが友人の話を聞いたり、いろいろと観察するうちに決定的な理由がわかった。彼女達は、髪の毛のお洒落も楽しめなければ化粧も楽しめない。行き着くところが爪のお洒落だったのである。

そう考えると、せっかくの真っ直ぐな髪をドラッドにしたりする日本人を黒人女性は理解できないんだろうなぁ。。。と思うのだった。。。

by あっこちゃん 2007年2月

 

 

 

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